webカメラを固定する時に使用するクリップにはトーションばね(ねじりコイルばね)が用いられています。今回はwebカメラ設置に使用するクリップにあるトーションばねの仕組みとポイントを解説します。
目次
トーションばねを使用するwebカメラ
webカメラは主にパソコンと接続して映像を流せる小型のカメラのことです。webカメラの設置方法は大きく分けて3種類あります。それぞれの特徴を紹介します。
①スタンド式:パソコンの横など、場所を問わず設置ができる
②三脚式:WEBカメラに三脚を付けて正面以外から撮影できる
③クリップ式:モニターの上部に挟んで設置する
3種類の中でもwebカメラの設置方法はクリップ式が一般的です。
トーションばねの仕組み
webカメラ設置に使用するクリップには必ずトーションばねが使用されています。
概ね線径1.0mm〜2.0mmまた材質は見栄えや錆防止からステンレス材を使用しています。クリップ全体がプラスチックの場合、webカメラを支えることができず、割れることがあります。そのためばねのみステンレス材を使用することが多いです。
トーションばねは巻き戻す方向(外側に反る)と巻き込む方向(内側に曲げる)へと動きます。
クリップに使用するトーションばねは、図のように巻き込んで使います。クリップの持ち手をつまむとばねが内側に曲がることで、クリップが開いた状態になりパソコンのモニターへ挟むことができます。持ち手を離すと、ばねは元に戻ろうとする力が働くので自然にクリップが閉じる仕組みになります。
つまりクリップに使用するトーションばねは、小さなスペースほど大きな力が発揮できる役割を果たしています。身近なものでいうと文房具のクリップもトーションばねが使用されており、webカメラのクリップと同じ原理です。
トーションばねのポイントは?
クリップに使用するトーションばねはモニターを挟む力と持ち手部分を開ける力、つまり荷重がポイントとなります。固いと持ち手が開きにくく、モニターを挟む力が強いので傷つけてしまう恐れがあります。一方弱いと持ち手は開きやすいですが、モニターを挟む力が弱いので固定しづらくなります。荷重の強弱は材料や線径、コイルの巻数で調整ができます。
今回はwebカメラに固定するクリップを例に挙げて、トーションばねについて解説しました。またトーションばねは炊飯器の蓋にも使用されています。詳しくはこちらのブログをご覧ください。
試作から量産まで対応可能となります。クリップに使用しているばねが壊れた方や荷重についてお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせフォームまたはお電話でご相談ください。
(参考文献:ばね 入門 日本ばね学会 日刊工業新聞社
はじめてのコイルばね設計 山田学 日刊工業新聞社
ばね 基礎のきそ 蒲久男 日刊工業新聞社)