トーションばねは別名「ねじりばね」とも呼ばれています。主にドアの開閉部分、産業機器に使用されています。
トーションばねは取付方法や取付場所によって特有の形状が必要となるため、形状は単純なものから複雑なものまで様々あります。トーションバネの詳細についてはこちら
今回は、栄光技研株式会社で実際に開発設計・製作を行った医療機器の開閉に使用するトーションばねの事例と設計するときの注意点をご紹介します。
トーションばねの役割
トーションばねは、ねじる力(トルク)に対して抵抗するばねです。CDドライブの開閉のように、ボタンを押すだけで動作する機構に使われています。適切なばね定数を選ぶことで、開閉速度を調整できます。モーターを使うよりも、スペースやコストを抑えられます。
医療機器の開閉に使用するトーションばねに大切なことは『応力』
医療機器の開閉に使用するトーションばねの場合、ばねの「応力」がポイントです。開閉に使用するということは繰り返し使うため、応力は低く設計しなければなりません。応力が高いと、ばねが折れてしまう可能性があります。
下記3点は応力を低くする代表的な方法です。応力を低くすることで折れを防ぐことができます。
- ばねの線径を細くする
- 有効巻数を増やす
- コイル径を大きくする
医療機器はスペースに制限がある場合が多く、設計者の要求とのバランスが重要です。
トーションばねの設計では、コイル内径や巻角度と巻き数、許容ねじり角度、そして腕の長さなどの寸法を規定することになります。また、トーションばねは一般的に巻き込む方向に負荷が加わるように使用します。
コイルの巻き方には隙間をあけない密着巻きと隙間を設けるピッチ巻きがあります。
■密着巻き:ばらつきが少ない、加工が容易、摩擦がおおきい
■ピッチ巻き:摩擦が少ない、加工が難しい
(参考URL:ねじりコイルばねの特徴と種類)
トーションばねを設計する上でのポイント
トーションばねを設計する上で2つのポイントをおさえることで、設計がしやすくなります。
①使用状態と使用環境
対象とするばねが、どれくらいの範囲で作動するのか?作動回数はどれくらいか?どんな環境で使用するか?などによって、許容される応力や使用すべき材質、材料強度が変わってきます。
②応力
トーションばねの応力は設計上の応力よりも実際の応力が高くならないように、余裕を持たせて設計します。
大阪府門真市にある栄光技研株式会社では、トーションばね設計開発の段階から一緒にサポートさせていただきます。図面が無い場合でも対応可能ですので、ばねについてお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせフォームまたはお電話でご相談ください。お問い合わせフォームはこちら