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引張コイルバネ(引きバネ)のフックを選ぶ上で押えておくべき3つのポイントや特徴について説明します!

引張コイルバネは、コイル状に巻かれたピアノ線や銅線などの線材の両端にフックを取り付けた引っ張りバネです。今回は引張コイルバネのフックの特徴や選定方法について説明します。

実際に機械「TF-35」にてUフックの引張コイルバネを製造している動画です。

引張コイルばねの特徴

主にOA機器や自動車部品、おもちゃや自転車などに使用されています。圧縮コイルバネが縮められて元に戻る動きがあるのに対し、引張コイルバネは縮んでいる状態から、伸ばされて元に戻る動きがあります。

引張コイルバネフックの種類

フックの形状は様々ありますが、JIS B 2704-2:2018 では下記図のようなフックの形状例を示しています。一般的によく使用されているフックの形状は、主に4種類になります。

1.半丸フック
コイル部の半巻きを起こしてフックとしたものであり、自由長を短くしたい場合に用いられます。

2.丸フック
コイル部の一巻を起こしてフックとした形状であり、ジャーマンフックとも呼ばれています。

3.逆丸フック
コイル部の一巻をねじり起こしてフックとした形状であり、もっとも一般的なフック形状です。イングリッシュフックとも呼ばれています。

4.Uフック
端部U字形に加工した自由長を自由に設計できるフックであり、長いフックが必要な場合に用いられます。

一般的に強度面や取付位置関係などの制約が無い限り、上記で述べたフック1~4を使用します。いずれも冷間成形に適しているので、コストが下がります。

その他のフックは製作の難易度やコストからあまり使われることが少ないフック形状になります。
側面丸フックは、応力が上がってしまうことで強度面では不利となり、あまり使用しない方が望ましいフックです。

角フック(左)は加工が複雑、絞り丸フック(下)は製作に手数がかかります。

引張コイルばねのフックの選定方法

引張コイルバネは、フック部の根本で破損する場合があり、バネの寿命に大きく影響を与えます。ばねの破損について詳しくはこちらのブログをご覧ください。引張コイルばねのフックの選定は3つのポイントが重要です。

1.強度
2.フックの製造の易度(加工コストダウン最小化)
3.取り付けやすさ

3つのポイントをおさえることで、加工性や耐久性の向上に繋がります。

引張コイルばねの初張力

引張コイルバネの特徴の1つである初張力を使用することで小さなスペースで高荷重を得ることが出来ます。初張力は線材同士がくっ付こうとする力です。材質はステンレスやピアノ線などが使われており、使用する部位によって長さが変わり耐重性も異なるので注意しましょう!

栄光技研株式会社では、線径1.4㎜~3.5㎜の引張コイルバネは機械「TF-35」にて製造しています。また線径外でも製作可能となりますので、ぜひお気軽にお問い合わせフォームからお問い合わせください。

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