チタン材は「軽くて強くて錆びにくい」特徴を持ち、航空・化学・医療分野などで幅広く使われています。今回はチタンばねのメリット・デメリットに加え、純チタン・チタン合金それぞれの特徴や用途について、わかりやすく解説します。
チタン材のメリットと課題
チタン材のメリットと課題について、分かりやすく以下の内容にてまとめています。
■ メリット
•高強度:鉄の約2倍、アルミの約3倍の強度
•軽量:チタン合金は鉄の約60%の比重
•耐食性:海水や酸化性酸に強く、長寿命が期待できる
•非磁性・無毒性:人体への影響が少なく、医療機器などにも採用
これらの特性から、軽量化や高耐久性が求められる産業機器・装置部品のばねとして活用されています。
■ デメリット
•材料コストが高い
•加工が難しい(難削材)
•耐摩耗性はやや劣る
このため、チタンばねはコストより性能を重視する用途に限定されやすくなります。
詳しいチタン材の特徴や加工ポイントの詳細はこちらをご覧ください。
チタン材の種類について
チタン材の種類は大きく分けて2種類になりますが、それぞれ種類があります。
■ 純チタン(JIS 1種〜4種)
1種は柔らかく、しなやかなばねに適している
数字が上がるにつれて硬度も上がるため、用途に応じて選定が必要
■ チタン合金(代表的な3種)
種類 |
特徴 |
向いているばね特性 |
α合金 |
高温環境でも安定だが加工が難しい |
耐熱性・寸法安定性 |
β合金 |
強度が高く加工しやすい |
高強度・成形性 |
α-β合金 |
バランス型で幅広い用途に適応 |
一般工業用途全般 |
チタンばねを使うかどうか判断するポイント
チタン材をばねに使うときには、以下のような点を事前に確認しておくとスムーズです。
■ コストに見合うのか?
チタンは一般的な鉄やステンレスよりも高価です。その分「軽くしたい」「錆びさせたくない」といった明確な理由や性能面のメリットがあるかを考えましょう。
■ 軽さや耐食性が必要なのか?
例えば、装置の軽量化が求められる場合や、海辺・薬品に触れるような厳しい環境で使うばねには、チタンが向いています。それほど過酷な条件でなければ、他の材料で十分なこともあります。
■ 加工や量産は難しくないか?
チタン材は加工がやや難しく、製作に時間がかかることがあります。特に複雑な形状や細かい寸法公差が必要な場合は、量産できるかどうかも含めて検討が必要です。
チタン材は高機能な材質ですが、一方でコスト・加工難易度とのバランスが重要です。
当社ではチタン材をはじめとする各種ばねの製造についてや「この形状でばねは作れるのか?」といったご相談も承っています。お問い合わせフォームまたはお電話にて、お気軽にご相談ください。
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