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もっと知りたい 技術コラム

ばねの製造方法の1つである冷間成形の特徴や向いている材料と製造工程を解説します。

ばねの製造工程には、ばねの種類に関係なく成形工程と熱処理工程があります。成形工程の温度によって冷間成形と熱間成形の2種類に分けられます。今回はばねを製造する上で一般的である冷間成形の特徴や工程についてご説明します。

実際に冷間成形でばねを製造している動画です。

ばねの成形方法について

ばねの成形方法は、材料を熱して加工する熱間成形と常温で加工する冷間成形があります。冷間成形は常温で加工するため、材料の温度のばらつきや加工中のひずみなどに影響されにくく、寸法や形状の精度を保つことが可能になります。

冷間成形に向いている材料

冷間成形のばねの代表的な材質は「SW」や「SWP」、「SUSxxx-wp」などで表されるものになります。冷間成形の材質のことを『冷間成形ばね材』と呼んでいます。線径0.08mm〜14mm程度までと多くの種類があります。
冷間成形に向いている材料とコストを一覧表にまとめたので、ご参考にしてください。

コスト

名称

代表的な種類の記号

 

 

硬鋼線

SW-A、SW-B、SW-C

ピアノ線

SWP-A、SWP-B、SWP-C

ばね用オイルテンパー線

SWO-A、SWOSC-B、SWOSM-A

弁ばね用オイルテンパー線

SWO-V、SWOCV-V、SWOSC-V

ばね用ステンレス鋼帯

SUS301-CSP、SUS304-CSP

ばね用ステンレス鋼線

SUS304-WPB、SUS304-WPA

 

ばねができるまでの冷間成形の製造工程

ばねができるまでの冷間成形の工程を分かりやすく図解にすると、下記のようになります。成形したばねを低温焼きなましすることによって成形によるひずみを取り、ばねとしての強度を高めます。低温焼きなましについて詳しくはこちらのブログをご覧ください。ショットピーニングやセッチングは必要に応じて行うこともあります。

冷間成形材料は材料メーカーで適切に管理され、熱処理を施した素材をそのまま常温で加工します。したがって安定した生産が可能となります。

大阪府門真市にある栄光技研株式会社では冷間成形のみばね製造を行っております。材料によって熱処理の温度条件などを変えることで、ばねの品質向上の取り組みに力を入れています。成形方法や冷間成形に使用するばね材料でお困りの方はお気軽にお問い合わせフォームまたはお電話でご相談ください。

(参考文献:ばね 入門 日本ばね学会 日刊工業新聞社
       はじめてのコイルばね設計 山田学 日刊工業新聞社
       ばね 基礎のきそ 蒲久男 日刊工業新聞社)

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