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板ばねのなかで最も使われる薄板ばねの製造方法の特徴や材質について解説します

薄板ばねは板ばねの中の1つを指します。薄板ばねは最も多用される板ばねであり、種類・形状・用途は様々なものがあります。代表的なものとしては、ぜんまいばね、クリップなどがあります。多種多様な形状及び使われ方をするため、線ばねのようなばね定数を求める基本式はありません。設計方法も大きく異なります。

▼線ばね製造動画になります。

薄板ばねの材質

板ばねに多用される金属は、炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル合金、チタン合金の4種類です。金属で実現不可能な特性を出したい場合は、非金属材を使います。板ばねに用いられる代表的な非金属材料には、天然ゴム、プラスチック、セラミックの3つがあります。チタン合金の詳細はこちらから

薄板ばねの加工方法

薄板ばねの加工方法は線ばねと同じく、大きく分けて2種類になります。

・熱間成形
熱間成形は、主に900〜1,200℃という高温下で加工する方法です。加工に必要な力が小さく加工性が高いです。成形と熱処理を連続で行うため、材料の傷付きに気を付ける必要があります。

・冷間成形
冷間成形は、主に720℃以下で加工する方法です。成形中の材料の温度のばらつきや加工中の熱ひずみなどに影響されにくいため、寸法形状やばね特性の精度を得ることが比較的容易です。ただし、熱間成形より加工に必要な力が大きくなることや加工が過度になると残留応力の蓄積や粘り強さの減少が起こることが難点です。

薄板ばねの製造方法

薄板ばねの製造方法は主に4つ用いられます。それぞれに特徴があるので、理解しながら最適な製造方法を選択しましょう。

①単発プレス成形
1つの工程を1つの金型で行う製造方法です。人の手によって作業が行われます。

②順送プレス成形
1度に2つ以上の工程を行う事ができるので、スピーディーに製品の生産ができます。

③トランスファープレス成形
順送プレス加工と同様に、大量生産に向いた成形方法です。順送プレス加工に比べ、大型の加工品にも適用できます。

④フォーミングプレス成形
カット と複数の曲げを一工程で済ませることができる成形方法です。曲げ加工する上で、材料が硬くスプリングバックが大きく材料割れが発生しやすいため、注意が必要です。

薄板ばねを製造する場合、選択する材料・加工方法により、薄板ばねの形状や加工精度に与える影響も考慮する必要があります。

栄光技研株式会社では薄板ばねを線ばねへ提案させていただいた事例もございます。コストダウンや金型に関してのご相談、ばねでお困りの方はぜひお気軽にご相談ください。

(参考文献:ばね 入門 日本ばね学会 日刊工業新聞社
       はじめてのコイルばね設計 山田学 日刊工業新聞社
       ばね 基礎のきそ 蒲久男 日刊工業新聞社

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