ばねを購入する場合、どのような材料を選択すべきでしょうか。ばねの材料は用途とコストの2つの観点で選ぶのが一般的です。
材料選択を誤ると、製品トラブルの原因となるため注意しましょう。ここでは、主に使用するばねの材料と材料選択のポイントを解説します。
ばね材料の一つであるステンレス材を使用したねじりコイルばねの製造動画です。
ばねに使用する主な3つの材料は?
工業用に使われているばねには、一般的な押しばねや引きばね、自動車部品に使われるトーションばねなどがあります。ばねに使用する主な材料は3種類に分類できます。
1.硬鋼線:もっともコストが低く、身近な製品に使用されるばね材
2.ピアノ線:硬鋼線よりも信頼性が高く、工業製品に使用されるばね材
3.ステンレス:耐食性・耐熱性が高く、錆びにくいばね材
金属ばねは、「硬鋼線」「ピアノ線」「ステンレス」の3つに分けられます。
ばねの材料選択するときのポイント
ばねの材料を選択するときには2つのポイントがあります。下記2点に注意しながら、材料を選びましょう。
1.ばねの用途
ばねの選定でもっとも大切なのが、用途にあわせてばね材を選ぶことです。材料と用途の一覧表を作成しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
|
硬鋼線 |
ピアノ線 |
ステンレス |
汎用性 |
〇 |
〇 |
〇 |
引張り強度 |
✖ |
〇 |
△ |
弾性 |
✖ |
〇 |
△ |
耐食性 |
✖ |
✖ |
〇 |
耐熱性 |
✖ |
✖ |
〇 |
たとえば、弾性や引張り強度が必要であればピアノ線が最適です。
耐食性や耐熱性が求められる場合は、熱や錆びに強いステンレスを選びましょう。
ばねの材料選びに迷ったら、専門のメーカーに相談しましょう
ばねの材料選択で迷ったら、ばね専門のメーカーや、ばね材を扱っている材料メーカーに相談することをおすすめします。
ばねを使う製品の特徴や、ばねの使用環境に応じて、適したばね材は異なります。既製品のばねではうまくいかないことが予想され、一からばねを設計すべきケースも存在します。
ばねの材料は、用途に応じて適性が異なり、耐久性やコストもそれぞれ違います。製品トラブルを起こさないため、製品の使用目的に合わせて、適切な材料選択を行うことが大切です。
栄光技研株式会社では一番錆びにくい材料はどれですか?ばねが折れにくい材料はなんですか?といったご相談がよくあります。ばねの材料で分からないことがある場合は、ぜひお気軽にお問い合わせフォームもしくはお電話でご相談ください。