ニッパーは銅線や鉄線をカットするために欠かせない工具です。ニッパーにはばねがついているものとついていないものがあります。ばねは「圧縮コイルばね」や「トーションバネ」があります。今回は圧縮コイルばね(押しばね)を使用したニッパーについて説明します。
実際に圧縮コイルばねを製造している動画です。
目次
ニッパーについて
ニッパーは刃の開閉により金属線を切断することができる専用工具です。ニッパーにはばね有りとばね無しがあります。ばね有りのニッパーは常に先端が開いているので開閉が楽です。ばね無しのニッパーは自由に開閉ができるため使い勝手が良いです。
ニッパーについている圧縮コイルばねの役割
ニッパーについている圧縮コイルばねの役割は大きく分けて2つです。
1.先端の開閉を補助
圧縮コイルばねが荷重を受けていない状態は、常に先端が開いています。そのためニッパーの開閉が楽に行えます。
2.作業者の負担軽減 ※連続作業時
グリップを握る(ものを挟む)と圧縮コイルばねが縮んだ状態になります。ばねの反発力(応力)によってものが切断できます。連続で作業する際に圧縮コイルばねがニッパーを握り直す動作を補助しています。
大きなものを切断する場合、ニッパーも大きくなければ切断できません。すなわちばねも大きくなり挟むのに力が必要となり、かえって使いづらくなります。よってばね有りのニッパーは精密なものを切断する時に向いています。
圧縮コイルばねの設計ポイント
ニッパーは屋外で使用することもあるため錆びる可能性があります。なので圧縮コイルばねの材料は錆に強いステンレス材を使います。メーカーにもよりますが線径は0.3〜0.8ミリが適しており、長さは10ミリ前後で設計します。ばねの設計のポイントは荷重です。巻数と線径によって変化します。線径を太くすることで荷重は大きくなりますが、ばねも大きくなりニッパー自体が握りにくくなります。圧縮コイルばねの設計について詳しくはこちらをご覧ください。
栄光技研株式会社では、ばね加工機「icf-08」にて線径0.3〜0.8ミリの押しばね(圧縮コイルばね)の製造が可能です。設計開発の段階から一緒にサポートさせていただきます。図面が無い、荷重が決まっていないという場合でも対応可能です。ぜひお気軽にお問い合わせフォームにてご相談ください。