自転車のスタンドは、単体では自立できない自転車の車体を支えてくれる必要な装備です。今回はスタンドに付属している引張コイルばね(引きばね)について解説します。
▼実際にTF-35にて引張コイルばねを製造している動画です。
目次
自転車のスタンドについて
自転車のスタンドは「両足スタンド」と「片足スタンド」の2種類あります。両足スタンドは接地面が広く、水平に自転車を支えてくれるので、しっかり自転車を駐輪できます。取り外した状態だとコの字型の部品で、後輪を挟むように左右のフレーム部分に先端が取り付けられるタイプです。一方、片足スタンドは基本的に車体の左側に1本の棒を装備するタイプで、片側の一点のみで自転車を支えます。引張コイルばねの部品は、どちらのタイプにも使われています。
(参考URL:自転車に装備されるスタンド その種類と壊れやすくなる理由とは | バイクのニュース)
引張コイルばねの役割
スタンドにおける引張コイルばねの役割は大きく分けて2つになります。
1.スタンドを跳ね上げるため(ロックを解除するため)
引張コイルばねがないとスタンドがブラブラになり、常に下がった状態で地面を引きずることになり、自転車が走行できなくなります。ですので、引張コイルばねがロックを解除する役割を担います。
2.スタンドをロックするため(ロックを施錠するため)
引張コイルばねがないと、ロックを掛けることが出来なくなり、止めていた自転車が動く可能性があるので引張コイルばねを使うことでロックを施錠することができます。
(参考URL:両足スタンド修理/ママチャリ/CHSいろいろサイト)
スタンドに使用する引張コイルばねの特徴
スタンドに使用する引張コイルばねはメーカーにもよりますが、線径1.5㎜〜3.0㎜で、手のひらに乗る大きさ、材質は錆に強いステンレス材を使用しているばねが多いです。
引張コイルばねのポイントは初張力です。初張力は線同士がくっついていると働く力になります。初張力は線径や外径、内径を変更することで強弱の調整ができます。初張力への理解が深まると、引張コイルばねの設計も格段に設計しやすくなります。初張力について詳しくはこちらをご覧ください。
引張コイルばねが錆びるとどうなる?
ステンレス材は錆びにくい材料ですが、条件によっては錆びる場合もあります。引張コイルばねが錆びると錆が広がり、ばね取り付け部分やばね自体がもろくなり、荷重や伸縮に耐えられなくなって破損します。錆を防止するには防錆潤滑スプレーなどの防錆剤を利用することをおすすめします。
引張コイルばねの初張力の強弱や錆についてお困りの方、栄光技研株式会社では線径1.5〜3.5㎜までの引張コイルばねを機械「TF-35」にて製作いたします。試作1個からばねの製作が可能です。ぜひお気軽にお問い合わせフォームでご相談ください。