自動車部品におけるばねは安全性や快適性を支える重要な役割を担っています。電動化や自動運転化が進む自動車業界において、ばねにはさらなる進化が求められています。今回は自動車部品ばねの品質管理における重要なポイントと未来の自動車技術の展望について解説します。
実際に自動車内装部品として製造している線加工品です。
自動車部品ばねの品質管理
自動車部品ばねの製造工程を考慮した設計を行うことで、品質の向上と生産効率の向上を図ることができます。ばね材料について詳しくはこちらをご覧ください。
1.最適な材料を選ぶ
自動車部品のばねは、性能とコストのバランスが大切です。使用する環境や必要な強度、耐久性などを考慮して最適な材料を選びます。代表的な材料としてばね鋼、ステンレス鋼、特殊合金などがあります。
●ばね鋼: 高い強度と弾性を持ち、自動車のサスペンションやエンジンバルブなどに広く使用されます。シリコンクロム鋼、マンガンバナジウム鋼など、用途に応じた様々な種類があります。
●ステンレス鋼: 耐食性に優れており、腐食環境下で使用されるばねに最適です。排気系部品や燃料系部品などに使用されます。
●特殊合金: 高温環境や特殊な負荷条件下で使用されるばねに用いられます。インコネル、チタン合金などがあり、航空宇宙分野やレーシングカーなど、過酷な環境で使用されます。
2.正確に作る
ばねは成形、熱処理、表面処理、検査など多くの工程を経て作られます。各工程で寸法や形状、表面の状態を厳格に管理することが重要です。
●コイリング: コイル状に成形する工程です。巻き数、コイル径、ピッチなどを正確に制御する必要があります。
●熱処理: ばねの強度や弾性を向上させる重要な工程です。焼入れ、焼戻しなど、材料や用途に応じた熱処理が行われます。
●表面処理: 耐食性や耐久性を向上させるために行われます。ショットピーニング、亜鉛メッキ、リン酸塩皮膜処理などがあります。
3.品質をチェックする
完成したばねは、寸法を三次元測定機や画像測定機で、荷重特性を荷重試験機で、耐久性を疲労試験機で検査し、品質を細かくチェックします。
材料の調達から製造、検査、出荷まですべての工程を記録し、ロット番号やシリアル番号などで管理します。問題が発生したときに原因をすぐに特定し、対策を講じることができます。
自動車技術の展望について
自動車業界は電動化と自動運転化が進み、ばねにも変化が求められています。電気自動車の普及で自動車の軽量化が重要になり、ばねも軽い素材や設計が求められます。環境に優しいリサイクル可能な材料や製造方法も重要です。自動運転技術では安全で快適な車のために、電子制御と連携した高性能なアクティブサスペンションなどの開発が進んでいます。
栄光技研株式会社では長年の経験と技術により、高強度ばね鋼をはじめとする様々な材料の特性を熟知しています。軽量化などのニーズに対応するため、最適な材料選定と高度な加工技術をを駆使し、軽量かつ高強度なばねを開発・製造できます。ばねについてお困りの際はぜひお問い合わせフォームでご相談ください。お問合せはこちらから