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もっと知りたい 技術コラム

代替となるばね会社を探す時のポイントは?ばね製作の加工先が廃業し、新たな加工先を探していたお客様事例

ばねの製作を依頼していた加工先の廃業や事業撤退で、「ばねを継続して加工することが難しくなり、同じばねを製作してくれる加工先を探している」というご相談を受けることが多くなりました。
今回は、栄光技研株式会社が実際に対応した事例(外注加工先が廃業したため、ものづくりに支障が出たお客様の事例)とともに、新たなばね製作の加工先を探す時の注意点をご紹介します。

調達先の廃業について

中小企業では、昨今経営者の高齢化が進むなか後継者不足等が増加し、廃業する企業が増えています。また新型コロナウイルスの感染拡大の影響を強く受けることによって、事業継続が難しくなっている企業も増えています。コロナ禍に伴って経済活動が大幅に抑制されたことにより、業績が低迷したり先行きが見通せなくなったりして廃業を検討する経営者が増えていくことが予想されます。ばね製作加工会社でも後継者不足により、廃業を余儀なくされる会社さんがあります。

(参考URL:最新アンケートにみる中小企業の事業承継の実態

栄光技研による既存ばね加工会社が廃業されたお客様の事例

ばね製作を外注していた加工先が廃業し、新たな取引先を探していたお客様とのやり取りをご紹介します。そのお客様は、両絞りばねと呼ばれている引きばねの1つを取り扱っておられました。

(写真1)

通常のばね製造とは違う技術力を要し、かつ鍍金処理も施したばねの加工先を探す必要があったそうです。
お客様と展示会でお会いし、栄光技研では品質面からコスト、現行品の問題点をヒアリングすることから始めました。
当初、廃業する加工先が採算が取れない価格で製造していたため、コストでスムーズに案件を進めることが出来ず、難航していました。
そこで私たちが着目したのは現行品が抱えている問題点でした。耐久性重視のばねだったのですが、フック部分が少し弱く気になっているとのことだったので、材料変更に伴い、耐久性が高い両絞りばねの安定供給についてご提案させていただきました。早速試作を行い、その結果、求める技術水準に適合すると判断し、 コストアップになりましたが、正式に取引することとなりました。今でもお取引きさせていただいているお客様になります。

既存の加工先から新たな加工先へと依頼する注意点

既存の加工先から新たな加工先へと依頼する場合、事前に下記3点をおさえておくことでスムーズに案件が進むでしょう。

①技術力(品質)
設計図面上には明確に示されないような細かい内容であっても、自らの経験と技術によって、発注者の狙い通りに加工物に転写して反映させてくれる加工先だった場合、新たな加工先とも綿密な打合せが必要となります。

②コスト
現行価格よりコスト高になる可能性がとても高いです。例えば既存の加工先よりも遠方に立地していれば運搬費の増加が見込まれる場合もあるからです。

③納期
突発的で短納期な発注に対しても要望通りに対応することも、新たな加工先では難しくなる可能性があります。事前に品質同様、綿密な打合せが必要となります。

3点から、既存の加工先から新しい加工先へ変更される場合には、事前に細かく打ち合わせをされることをおすすめします。

栄光技研株式会社では廃業してしまい、加工先に困っているといったご相談を解決してきたノウハウがあります。ばねや金属加工を中心に、当社でお客様の問題を解決できる場合もあると思いますので、是非お気軽にお問い合わせフォームまたはお電話でご相談ください。

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