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農業機械に使用する引きばねの役割と設計する上で気を付けるポイント

2024年8月8日

引きばねは引張ばねとも呼ばれている両端にフックがついているばねです。主に自転車のスタンドや食品機械、農業機械に使用されています。今回は農業機械に使用する引きばねの役割と設計する上で気を付けるポイントを説明します。

実施に農業機械に使用してる引きばねを製造している動画です。

農業機械について

農業機械は農作業のあらゆる場面に欠かせない機械です。農業就業人口の減少・高齢化に伴い、農作業の省力化や効率化に貢献しています。農業機械は主に、トラクターや田植え機、コンバインがあげられます。雨の中や土、泥の上といった厳しい環境で使用するので、耐候性のある機械です。そのため農業機械に使用される部品は高品質が求められます。

(参照元 農林水産省WEBサイト

農業機械に使用する引きばねの役割

農業機械全般に引きばねが使用されていることが多いです。例えばトラクターにおいて、後ろに運搬出来る装置や車体にバケットを付け、土や肥料をすくいとって運ぶローダーに組み込まれています。例えば、土をすくいとる動作には、縮んだ状態から伸ばされて元に戻る引きばねの特徴が活かされています。

通常の引きばねは、フックの形状・長さは左右対称ですが、フック形状や長さが左右非対称の引きばねもあります。非対称にすることでローダーの動きをよりスムーズにするといった役割を担うこともあります。ただし左右対称の引きばねに比べて、左右非対称の引きばねは技術力がいるため価格が高くなります。

栄光技研株式会社では、トラクターのローダーに使用する引きばねを製造したことがあります。
そのときのお客様のオーダーは引きばね1個ずつのメッキ処理を均等にしてほしいとの依頼でした。メッキ処理方法も様々ですが、一個ずつメッキをするわけではないので、メッキが未着色のばねがまれに発生することがあります。当社ではメッキ方法を改善するのではなく、メッキ処理がしやすい形状かつ現行品と同じ数値(荷重)が出るように設計をし直し、製造し、メッキ処理も満足していただけるばねを納品することができました。

農業機械に使用する引きばねの設計

引きばねの設計の注意点は、残留応力・初張力です。必要でない限り初張力の値は指定せず設計をします。材料のくせや熱処理を行う上で、初張力を管理するのは難しいからです。(初張力の詳細はこちら)
引きばねの特徴であるフックを複雑な形状にすると、折損が発生しやすくなります。加えて農業機械は過酷な使用環境での使用となるので、適切な防錆処理が必要です。材質や熱処理で強度を高め、メッキ処理などで防錆することをおすすめします。

収穫期などの農業機械の故障は損失につながりうる大きな問題となっています。交換部品の供給やすぐに補給部品が欲しい方、栄光技研では図面やサンプルがあれば、1個から製作対応可能です。製品納品後も、製造履歴やデータを管理しているのでアフターフォローサービスが可能です。オンライン商談も受け付けておりますので、ぜひお気軽にお問合せフォームからご相談ください。

 

 

 

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