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銅線の特性や製品設計における注意点、試作段階から考慮すべき事項について説明します。

銅線は様々な電子機器に使用される材料です。電気を通しやすいだけでなく、加工しやすく、錆びにくいという性質も持っています。今回は銅線の特性や製品設計における注意点、試作段階から考慮すべき事項について説明します。


実際に銅線であるエナメル線を加工している動画です。

銅線の特性について

銅線には大きく分けて以下の3つの特性があります。

●引張強度
引張強度は銅線が引っ張られる力にどれだけ耐えられるかを示す指標です。軟銅線は200~300N/mm²程度、硬銅線は400~500N/mm²程度の引張強度を持ちます。
●耐摩耗性
銅線は比較的耐摩耗性に優れていますが、過度な摩擦や衝撃が加わると摩耗する可能性があります。
●曲げ強度
曲げられる力にどれだけ耐えられるかを示す指標です。曲げR(曲げ半径)が小さすぎると線材が破断する可能性があるため、適切な曲げRを設定する必要があります。

銅線には様々な種類がありそれぞれ特性が異なります。銅線の種類について詳しくはこちらをご覧ください。

曲げR(曲げ半径)について

曲げRとは線材を曲げる際の曲げの内側の半径のことです。曲げRは品質や強度に大きな影響を与えるため、適切な曲げRを設定することが重要です。

曲げRが小さすぎると

線材の破断: 線材が過度に曲げられると、破断する可能性があります。特に硬銅線や太い線径の銅線の場合、小さな曲げRでの加工は困難です。
製品の強度低下: 曲げ部分に応力が集中し、製品の強度が低下する可能性があります。
被覆の損傷: 被覆された銅線の場合、被覆が損傷し、絶縁不良や短絡の原因となる可能性があります。

曲げRを大きくすると

製品の大型化: 曲げRを大きくすると製品全体のサイズが大きくなる可能性があります。
材料の無駄: 曲げRを大きくするためにより多くの材料が必要になる場合があります。
銅線、ステンレス線、鋼線など、線材の材質によって適切な曲げRは異なります。線径が太いほど、大きな曲げRが必要になります。

製品設計における注意点(試作段階からの考慮事項)

製品設計において、以下の点を考慮して銅線を選定する必要があります。

●強度
製品の使用環境や負荷条件を考慮し、適切な線径や材質の銅線を選定する必要があります。試作段階で実際に荷重をかけ、強度を確認することが重要です。曲げや捻りなどの加工を加える場合、その部分の強度低下も考慮する必要があります。
●耐久性
製品の使用温度や湿度、薬品の使用状況などを考慮し、適切な耐熱性、耐薬品性、耐湿性を持つ銅線を選定する必要があります。被覆された銅線の場合、被覆材の種類も耐久性に影響します。
●加工性
試作段階で実際に銅線を加工し、加工性を確認することが重要です。特に、曲げ加工や圧着加工を行う場合、加工性によって製品の品質が大きく左右されます。

特に試作段階から上記内容を考慮することでスムーズな製品開発に繋げることができます。

栄光技研株式会社では、エナメル線ばねの製造実績があります。銅線(エナメル線)での加工や試作についてお困りの方はぜひお気軽にお問合せフォームまたはお電話でお問合せください。
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